
退去後の網戸は結構調整されずに放置されていることが多いです。
考えられるのは、入居前に最後に触るのがハウスクリーニング業者さんなので、
ハウスクリーニング業者さんが網戸を外して清掃後に、
特に調整せずに基に戻すことが多いからかもしれませんし、
きちんとした管理会社ですと、清掃後の入居前に室内確認をしますが、
その際に網戸の調整・建付けまでをチェックすることが少ないからかもしれません。
ここをチェックしないと、入居後に「網戸が外れました」というレベルの苦情が来て、
出張費と作業費を業者さんにお支払いすることになります。
退去時に調整しておくようにしましょう。
建付けが悪いと言っても大きく2種類ある
網戸の建付けが悪い症状として、大きく2つに分けられます。
スムーズにスライドしない(グラつく)
閉めた状態なのに隙間がある
上記いずれも戸車の調整・修理でほぼ改善します。
逆に戸車の調整・交換で改善しない場合は、
・網戸のフレームそのものに破損がある
・取り付けるサッシが歪んで
ということが考えられますので、
その場合はサッシ屋さんに連絡して修理をしてもらいましょう。
築古の戸建の場合はこのパターンが多いですが、
サッシの新調が必要な程度の破損は少ないと思うので、
ほとんどの場合修理でなんとかなります。
網戸の調節で使う部分
網戸の調節や、取り外しの際には、上下各2か所の部分を使います。
1つ目は上のサイドにある外れ止め(揺れ止め)

網戸の上の左右にネジがあるので、
そこのネジを緩めると、
白い部品(外れ止め)が緩くなって上下に動くようになります。
この外れ止めによって、網戸が外れなくなっているので、
これを緩めると、上に持ち上げながら外側に引くことで網戸が外れます。
この部分は建付けの悪さには直接かかわらないので、
調整するのは下の戸車になります。
網戸が外れやすい!とか閉じる時にという場合は、この外れ止めが下に下がっている可能性があるので、上にスライドさせてネジを締める調整を行います。
網戸を付け直すときにも、忘れずに外れ止めを固定しましょう。
まず一番上までスライドさせて、一度開け閉めした後に固定すると良いです。
2つ目は下のサイドにある戸車(本丸)

この写真では、右側が下になっています。
通常戸車には、上下に調整するためのネジが付いていて、
この写真の戸車は網戸の一番下のネジで調節することができます。
ネジを締めるとネジが奥に行き、戸車が押されて下に動きます(網戸の片方が上がります)。
戸車のネジが網戸下のフレームの手前(外)側に付いていることもありますが、
この場合はネジを緩めて戸車を任意の場所に動かして、ネジを締めて固定します。
スムーズに閉まらないパターン
スムーズに閉まらないパターンは、
・レールに戸車が乗っていない
・戸車が破損していて回らない
というパターンが多いです。
まずはレールに戸車が乗っているかどうかを確認して、
きちんと乗っているのにガタガタするような場合は、
網戸を外して戸車を見てみましょう。
レールや戸車を清掃すると改善することもあります。

古い戸車は劣化してボロボロになるので交換するに越したことはないですが、
なかなか全部を交換するのは大変なので、
調整とメンテナンスでなんとか頑張りましょう。
レールに乗っていて、清掃してもスムーズに閉まらない場合
戸車が回っていない可能性があるので、
ベルハンマー(556でも可)を戸車とレールに吹き付けます。
これで多くの場合スルーっと動くようになりますが、
これでもダメな場合は戸車を手で回してみて、かなり回りにくければ戸車交換。
回っているのであればサッシの歪みを疑いましょう。

閉めたときに隙間が空くパターン

開閉に問題はないけど、
閉めたときに隙間ができるパターンの場合は、
先に説明した通り、片側の戸車のネジを回して、高さを調節するだけです。
この写真の場合は、隙間がある右側の戸車のネジを締めて高く調整します。
ということで、網戸のほとんどの問題は戸車にあると言っても良いかもしれません。
しかし戸車もかなりたくさんのバリエーションがあり、
どの戸車を買っていいのかわからないことも多くあります。
とりあえず簡単な建付け調整ができるようになっておけば十分で、
原因が戸車やサッシの不具合ということがわかれば、
あとはサッシ屋さんにお任せする運用で十分かと思います。
網戸を新調する方法も有効
なお、サッシ枠以外の問題であれば、
網戸を新調するという方法もあります。
・外側の窓枠から網戸レールまでの距離
・窓の幅
・上下の網戸レール間の高さ
この3点だけ測れば、網戸を発注することができます。
1週間程度で届くので、届いた網戸を取り付けるだけ。
費用は腰窓で約5,000円~、掃き出し窓で約10,000円~ という感じです。
経年でひどい状態の網戸の場合は、新調する方法もコストパフォーマンスが高いと思います。
網戸はかなり頻繁にメンテナンスすることになるので、
ある程度の知識と経験があるととても役に立ちます。