
コロナウイルス関連のニュースで、最近は「家賃家賃家賃・・・」と家賃の負担が重いという話題が多く出ています。
政府・自治体からの自粛要請によるテナントの売上減によって、
家賃が払えないという状況をどうするかという話です。
基本的には契約の当事者同士、借主と貸主同士で個別対応していくのが通常の流れですが、
そうは言っても全国的な問題で、家賃が払えずに閉店・退去という流れが続出すると、
経済全体にとっても大打撃です。
持続化給付金によって、
・法人は200万円
・個人事業主は100万円
の給付が受けられる予定ですが、家賃は毎月のことですから、
これらでどの程度補填できるものか。限定的ではないでしょうか。
大阪府知事は先日次のようにツイートしています。
「3カ月間賃料を猶予せよ」
という主張ですが、
所有者(貸主)側のフォローについては
家賃に対しては微々たる割合の「固定資産税免除」と、一番繊細な「銀行融資の返済猶予」のみ
という筋の悪い主張をされています。
キャッシュに余裕のない所有者の場合は危機的な状況になりえますし、
銀行に猶予してもらったら、その後どうなることやらです。
大阪府知事は個人的には応援しているし、頑張っていらっしゃいますが、
この家賃猶予問題に関しては、玉木さんの案が素晴らしいと思います。
借主側のメリットは同じなのですが、
貸主側のデメリットを解消した素晴らしい案ですね。
家賃猶予期間の収入減と猶予分の回収事務負担を住宅金融支援機構に代行してもらうことができるので、
借主貸主双方にとって何のデメリットもない仕組みです。
自治体の固定資産税収入と、銀行の返済の流れも止めない良案。
期間についても定めていません。ここは自由度があった方がいいですね。
正直3カ月程度ではどうにもならないと思います。
この案が通ることを祈ります。
テナントのことだから関係ないやと思っている皆さんも、
今回の動きについては注視が必要だと思います。
参考までに次のニュースをご覧ください。
1.対象エリア 全国
大東建託 2020年4月15日付「 新型コロナウイルス感染症の影響に伴う賃料支払猶予措置について 」より抜粋
2.対象者 当社グループが、オーナー様より一括借り上げして管理する賃貸建物にご入居中の方 で、新型コロナウイルス感染症の影響による収入の減少などにより、賃料の支払いが困難な状況にある方 ※個人契約・法人契約いずれも可
3.対象賃料 家賃、駐車場代、共益費、自治会費(上限は3カ月間)
4.猶予措置 申請時より最長2年間の分割払い ※2年以内に退去される場合は退去時に一括でのお支払いが必要です。
5.申請期間 2020年6月末日まで
6.申請方法 別途、大東建託パートナーズホームページにてご案内いたします。
ポイントとしては、
3カ月の猶予と2年間の分割払いというところでしょうか。
猶予と免除は違いますので、
猶予した分は、後から払ってもらいます。
貸主側としては会計上「滞納(未収金)」扱いになります。
猶予分の回収と管理をするのは大変ですが、
今後借主から猶予や減額(免除)の要請が来る可能性がありますので、
どのような対応をするか、考えておく必要があります。
大東建託さんは一括借り上げの建物のみなので、
オーナーには例月通り賃料を支払う運用にすると思うのですが。
管理戸数が多すぎて個別対応が大変だから前もって通知したのでしょう。
今回のコロナの問題は、感染者数が収束したとしても、経済的な不況は長期になることが予想されます。
その中で例えば3カ月の家賃の猶予が入居者にとってどれだけの効果があるのか、
その約4か月後には元の支払い能力にまで復活するのか。
大東建託は収入減少の書類等は求めていませんが、
私個人としては、家賃猶予後の支払い能力の回復の見込みまでヒアリングしておくことが必要ではないかと思っています。
見込みがなければずっと滞納が続いて退去の際も回収できず・・・というシナリオも考えられます。
我々零細大家は借主と個別に対応・協議していくということで良いのではないかと思います。
その際は下記記事に書いた「住居確保給付金」等の公的支援についてもご案内できると良いかと思います。
「コロナによる家賃滞納への対応について」
日々刻々と状況は変化していますが、できることをやっていきましょう。