以下「本書」と言います。
「お金持ち」について考えてみましょう
あなたの考えるお金持ちとは、
どのような人でしょうか。
いくら資産があればお金持ちなのでしょうか?
著者の考える現実的なラインは「資産1億円」
野村総合研究所の富裕層の定義は「純金融資産1億円以上」とのことです。
また、2015年に国税局が発表した富裕層の定義は次のとおりです。
・有価証券の年間配当4000万円以上
P8~9
・所有株式800万株以上
・貸金の貸付元本1億円以上
・貸家などの不動産所得1億円以上
・所得合計額が1億円以上
・譲渡所得及び山林所得の収入合計10億円以上
・取得資産4億円以上
・相続などの取得財産5億円以上
・非上場株式の譲渡収入10億円以上、または上場株式の譲渡所得1億円以上かつ45歳以上の者
・継続的または大口の海外取引がある者、または1~9の該当者で海外取引がある者
ですよね。という感じの基準になっておりますね。
最低基準はやはり「所得が1億円」というところになると思うので、
その辺りが目安になるでしょう。
日本人の40人に1人は資産1億円
1億円基準でも、40人に1人(世帯の約2~2.5%)はお金持ち(富裕層)ということです。
結構多いですよね。
きっと努力次第でなんとかお金持ちになれるっていうことなんだと思います。
本書の著者は、自身も「お金持ち」でありながら、
約10年間、お金持ちたちの習慣を収集し、
1冊の本にまとめました。それが本書です。
読みやすく、興味深い内容がたくさんありますので、
今回はその一部をご紹介していきたいと思います。
ビビッと来たものは、ぜひ実践してみてください。
目次
【習慣1】超速で返信する
素敵な億万長者は、時間が持つ価値はお金以上であることを、骨身に染みてわかっているのです。
p34
「返信のスピードが速い=仕事が早い」という好印象を与えることができます。
p36
確かにお金持ちというか、仕事ができる人って、仕事が早いですよね。
メールやラインの返信速度も違うと思いますし、回答や段取りのスピードは、他の人と比べたときに全然違うことを実感します。
同じ仕事をお願いするのに、1週間で完了させてくれるところと、2週間で完了させてくれるところがあれば、
品質や価格に違いが無ければ前者にお願いするでしょう。
資料や見積りをお願いするにも、スピード感のある人は信頼感が高いです。
そうやって仕事や人がどんどん集まってくるのでしょうね。
この習慣はすぐに実践できて、ハードルも低いので、
是非今日から実行していきましょう。
【習慣3】凡事 ”超” 徹底する
「凡事徹底」という言葉があります。
P45
この言葉は松下幸之助さんが愛用していたといわれていますが、(中略)株式会社イエローハット創始者の鍵山秀三郎さんが好んでよく使われている言葉です。
(松下政経塾の理事・塾頭などを長年務めてこられた)上甲晃先生は、普通の「凡事徹底」じゃまだ不十分でダメ、凡事を”超”徹底してこそ、初めて意味をもつとおっしゃるのです。
p47
この上甲先生の言葉に、
「当たり前のことを徹底してやった時、初めて人の心は動く」
というものがあります。
「当たり前のことができる人が仕事ができる人」と、私は思っていますが、
仕事ができない人は当たり前のことができません。
プラスアルファができないのではなく、当たり前のことができないのです。
仕事ができる人の更に向こう側にいくためには、
当たり前のことを徹底してやれる人、なのだと思います。
誰でもできることを、誰でもできないくらいやるということですね。
「凡事超徹底」
素晴らしい言葉です。
【習慣5】アナログ感覚が鋭い
整理整頓のことです。
たまに、机の上がぐっちゃぐちゃでも仕事ができる人がいるにはいますが、
ビシーッと整った机で仕事をしている人の方が、
総合的にみると有能なのではないかという印象があります。
整理整頓という凡事が徹底されているわけですしね。
私も忙しくて心に余裕がない時なんかは机の上に書類が溜まってしまいますが、
心に余裕のある時は綺麗にきっちり片づけます。
つまり心の中の状態が机に反映されているわけなんですね。
その作用を逆に利用すると、机をスッキリさせれば、
心もスッキリと整理され、余裕がある状態になるわけです。
その状態を保って仕事を効率的に進めることは大切ですね。
【習慣6】好奇心が衰えない
素敵な億万長者は、謙虚に学ぶスタンスが半端ではありません。
p65.66
(中略)
人間は”実は自分は、何も知らないのだ”と謙虚にならない限り、学ぶことはできないのです。
新しいことをとにかくやってみて、それから判断する。
いままでの経験にとらわれず、「曇りなき眼で見定める」。
偏見を持たず、色々なことのチャレンジしていく姿勢が大切ですね。
【習慣7】”読破する”勢いで本を読む
月に最低でも10冊、できれば20冊は読みたいものです。
p69
(中略)
たくさんの本を読むコツは、その日の気分が上がる本を選ぶことです。買い置きの中から気分が上がる本を選ぶには、最低でも50冊以上の買い置きは必要だと思います。
買い置き50冊!? と思いましたが、
やはり本をたくさん読むというのは、どの本でも共通する、
本質に近い行動に違いありません。
私も普段本(鬼滅の刃を含む)を読むようにしていますが、
3日に1冊ペース(鬼滅の刃はカウントせず)、月に10冊程度読んでいます。
ただ無意識に、分野がやっぱり投資・金融に偏ってしまうので、
歴史とか宗教とか、そういった分野の本も読むようにしています。
このブログの書評記事は過去に買った本を再読して書いているものですが、
もう95%くらいは内容を忘れているので、
初めて買った本のような気持ちで再読しているものがほとんどです。(笑)
ただ、本書の「凡事徹底」という言葉はずっと頭にあったので、
本書の内容はかなり頭に残っていました。
本書ではまだ色々な読書法について書かれていますので、是非ご一読ください。
【習慣9】早朝の1時間を大切にする
億万長者のほとんどが早起きです。
p84
早朝は、斬新なアイデアが浮かぶ、誰にも邪魔されることなくサクサクと仕事が片付く、重大な案件をじっくり検討できる
p85
とのことです。
私は早起きしても頭が働かず、日中の集中力が落ちてしまうので今のところ早起きはしていませんが、
もしかすると人によっては早起きに向かない人もいるのではないかと考えてしまいます。
これについては別途本を読んで論理的に分析してみたいと思います。
朝からバリバリ勉強や仕事ができる人は、早起きしましょう!
(全然説得力がないですね)
【習慣12】不安をコントロールする
【習慣13】1秒で切り替える
同じ括りにできそうなのでまとめさせていただきました。
僕が今まで出会った方で、高いレベルの成功をキープしている億万長者は、自分から不安やマイナス発言、ネガティブな発言を一切口にしません。一切です。
p99
今、心配しても仕方ないことは、必要以上に考えないこと。
p101
「過ぎたことで心を煩わせるな」(ナポレオン・ボナパルト)
という言葉も紹介されています。
未来のことも、過去のことも、
考えても状況が改善しないことに頭を使うことはムダというわけです。
とても合理的です。
そうはいっても、不安が消えない・・・
という方はブッダの言葉を聞いてみるのも対応方法の一つの方法です。
私は仏教徒ではありませんが、ブッダの言葉は合理的かつ客観的で説得力があります。
おすすめの本として『反応しない練習』をご紹介しておきます。
【習慣21】他人を優先する
経済的な成功と人間的な成熟には、まったく相関関係がありません。人間力は、お金では買えないのです。
p155
不動産業界でも、他人をカモにして、自分だけ儲けられればいいという考えの人によく遭遇します。
そうして得たお金にいったいどんな価値があるのでしょうか。
みんなが先を急ぐときは、「お先にどうぞ」の精神。
p156
誰も行きたがらないときは、「それでは私がお先に」の精神。
こんな人に、私はなりたい。と思いましたが、
凡事超徹底でご紹介した松下政経塾の上甲晃先生の言葉とのことです。
こうした人間力を磨いていくことも、同時に必要なことだと感じました。
【習慣23】成功体験に縛られない
人はみな、知らず知らずのうちに、大なり小なり過去の成功体験に縛られて生きています。この自分の成功体験に縛られれば縛られるほど、思考の自由度は奪われ、新しい情報を受け入れるスペースが失われていきます。
p167
自分から(変化を)受け入れ、変化していくのはとても難しいことです。まず、新しいことや情報を拒絶しないこと。
P167
(中略)
新しいことへの対応がうまくできないとき、僕はまず、自分の老害を疑うようにしています。
年齢を重ねるほど、経験が多くなっていくわけで、
成功しているしていないに関わらず、過去の経験にとらわれて物事を判断してしまうことが多くなるように思います。
過去の経験は大切ですが、時代が目まぐるしく変化していく現代においては、
時に自分の変化を妨げてしまう要因になりかねません。
過去の経験を踏まえつつ、新しいものをいったん受け入れる姿勢がとても大切ですね。
新型コロナウイルスにより世の中の激変が予想される今、
今までできなかった変化が起こるかもしれません。
そして、変化に対応していかなくてはいけません。
【習慣24】タバコを吸わない
(億万長者の)健康への意識の高さはズバ抜けています。
p175.176
(中略)
その他、健康で注意したいのは喫煙です。まだタバコを吸っている人がいたら、絶対にやめたほうがいいでしょう。百害あって一利なしですから。
ということで本と同じくらいタバコを吸わないという内容が出てきます。
それでもタバコがやめられない人は、ちょっと心を見つめ直してみましょう。
そして、周囲に人がいる状況(特に屋内)では絶対に吸わないようにしましょう。
【習慣30】稼ぐより、どう使うか
「稼ぐことも大事だけど、そのお金をどう使うかの方が重要なんだよ。」
p205
ハウステンボス創業者の神近さんの言葉が紹介されています。
本書ではこの神近さんのエピソードしか紹介されていませんが、
お金って結局使うためにあるものですから、
「どう使うか」というところに、その人の本質が現れてくるのではないでしょうか。
使わずにずっと貯め続けて死んでいくのか、
資産だけにお金を投じ続けて死んでいくのか、
好きなことにお金を使って死んでいくのか、
家族のためにお金を使って死んでいくのか、
地域やたくさんの人の幸せのためにお金を使って死んでいくのか、
色々、使い方はあると思います。
何のためにお金を貯めて、何のためにお金を使うのか。
一度、考えてみてはいかがでしょうか。
普通の幸せを望む人にとっては、お金がありすぎるのも、なさすぎるのも良くない、と私は思っています。
お金の使い方
時間の使い方
どこにお金と時間を使っていくのが良いのでしょうか。
そもそも、お金持ちになる必要がありますか?
人生の残りの年数を考え、平均寿命から差し引き、あと何年「持ち時間」が残されているのか、やり残したことをやるコストはいくらなのかを、ちょっとイメージしてみてください。よく言われますが、使い残したお金を来世にはもっていけません。あまりに莫大な資産は、相続で争いの火種を残すだけです。
P7
巷では投資家によって不動産所有数争いや、家賃収入争いが繰り広げられていますが、
幸せな億万長者はそういった不毛な争いはしていないはずです。
いくら必要で、何に使って、どう残していくか、
自分と家族の幸福の観点から、考えてみてはいかがでしょうか。
おすすめ度
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実践しやすく、汎用的で、多くの人の腑に落ちる内容が多いです。
お金の面だけではなく、人間性の部分に触れた内容が多く、
億万長者になれなくても、確実に1歩前進できるはず。