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コラム

経済産業省令和2年度補正予算と不動産賃貸業への影響について

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基本的に経産省の予算についての記事です。

令和2年4月30日に補正予算が成立しましたので、続報を書きたいと思います。

先日の案段階で補正予算について書きましたが、
「経済産業省令和2年度補正予算【案】の資金繰り支援策等」

案のとおり成立している模様。

今回の経産省補正予算で不動産賃貸業に関係しそうな内容としては次のとおり。

・日本政策金融公庫のコロナ特別貸付と実質無利子化(利子補給制度)

・民間金融機関による保証料無料・ 実質無利子化(利子補給制度)

・持続化給付金

・固定資産税・都市計画税の軽減・免除

・納税猶予(猶予なので意味なし)

・⽋損⾦の繰戻還付の拡充(前年度黒字で今年度赤字なら還付があるかも)

・テレワーク等のデジタル化投資の促進

※家賃猶予は間に合わず

公庫や金融機関の「無利子」については、一部でまだ誤解があるようですが、

金利0%ではなく、融資条件とは別の基準と別のルートで申請・審査をし、

中小機構が利子補給(利子分を別途振込)するものです。(プラマイゼロ)

「持続化給付金」は有名ですが、

売上が前年同⽉⽐で50%以上減少している法⼈は200万円、個⼈事業者は100万円を上限に、現⾦を給付するものです。

テナントメインのオーナーさんで減免措置をされた方とか、

民泊オーナーさんとかはこの持続化給付金に該当する可能性がありますが、

居住用メインのオーナーさんの場合は、さすがに50%減はいかないと思います。

さてこの度の記事では、次の4点について整理していきたいと思います。

1 民間金融機関による保証料無料・ 実質無利子化(利子補給制度)

2 固定資産税・都市計画税の軽減・免除

3 ⽋損⾦の繰戻還付の拡充

4 テレワーク等のデジタル化投資の促進

1 民間金融機関による保証料無料・ 実質無利子化(利子補給制度

この民間金融機関による融資制度については、

私も該当するのか、該当した場合にどのような使い方ができるのか。

基本的に運転資金については公庫により確保できていますが、

既存の保証協会付き融資(既往債務)について、条件変更が可能かどうかを検討してみたいと考えています。

信⽤保証付融資の既往債務の借換により、返済負担を軽減します。
⼀定の要件を満たした場合には、借換についても保証料補助や実質無利⼦化の対象とします。

「令和2年度補正予算の事業概要」より

政府公認のリスケのような感じですが、必要性やメリット等について十分に検討していきたいと思います。

【公庫融資の基準】
最近1ヵ⽉の売上⾼ が前年⼜は前々年⽐5%以上減少した⽅

【民間金融機関融資の基準】
セーフティネット保証4号、5号、危機関連保証の認定を受けた事業者

事業者売り上げ減少幅保証料
個⼈事業主(事業性のあるフリーランスを含み、⼩規模に限る)▲5%保証料ゼロ、無利⼦(当初3年)
中⼩・⼩規模事業者▲5%保証料1/2
中⼩・⼩規模事業者▲15%保証料ゼロ、無利⼦(当初3年)
保証種別売り上げ減少要件
セーフティネット保証4号最近3か月間の売上高等が前年同期比▲20%
セーフティネット保証5号最近3か月間の売上高等が前年同期比▲5%
危機関連保証最近3か月間の売上高等が前年同期比▲15%

保証料や利子補給に該当する融資は一律3000万円が限度です。

※個人的に関係する部分を抜粋して書いていますので、検討される方は必ず元ソースにて確認してください。元はもっと細かいです。

かなり簡易化するとこのようになります。

ということで「セーフティネット保証5号」が一番要件のハードルが低そうです。

ただ、9割は4号を利用されていると報道がありました。

賃貸業の場合、昨年よりも物件が増えた場合に、コロナの影響で空室が増えたとしても、

前年比で売り上げが減少していないパターンが考えられます。

その場合は、売上減少基準が▲15%要件の危機関連保証で考えます。

「危機関連保証」の緩和された売上要件

新型コロナウイルスの影響を受ける前などを基準として比較
1~3のいずれか

1 最近1ヶ月の売上高等と最近1ヶ月を含む最近3ヶ月間の平均売上高等を比較

2 最近1ヶ月の売上高等と令和元年12月の売上高等を比較
 +
その後2ヶ月間(見込み)を含む3ヶ月の売上高等と令和元年12月の売上高等の3倍を比較

3 最近1ヶ月の売上高等と令和元年10~12月の平均売上高等を比較
 +
その後2ヶ月間(見込み)を含む3ヶ月の売上高等と令和元年10~12月の3ヶ月を比較


売上高減少基準:▲15%以上

(例)

2019年10月に不動産を取得して売上高が増加。例年2・3月に出る空室は4月に回復しているが、今年度はコロナの影響で入居率が改善しない。

この場合前年比売り上げ増となりますが、
コロナの影響により前年よりも4月の売り上げの戻りが鈍く
今後も需要減少によりしばらくは改善が見込めない状況。


●1の基準で当てはめると、

・2020年2・3・4月の平均売上高は、
 (180+160+160)÷3 ≒ 166 
 166 → 160 ▲3.6%
 
 ⇒ 判定【×】



●2の基準で当てはめると、

・2019年12月の売上高200と直近4月の売上高160を比較 ▲20% 

 ⇒ 判定【〇】

・4・5・6月の売上高(見込み)160+160+160=480 と
2019年12月の売上高の3倍 200×3=600 を比較 ▲20%

 ⇒ 判定【〇】



●3の基準で当てはめると、

・直近の売上高160と2019年10・11・12月の売上高の平均200を比較 ▲20%

 ⇒ 判定【〇】

・直近から2ヵ月を含む3か月の売上高480と2019年10・11・12月の売上高600を比較 ▲20%

 ⇒ 判定【〇】

ということで、1の基準は当てはまりませんが、2・3の基準は当てはまりそうです。

よって、不動産取得等により前年比増となっていても、

直近の売上高がコロナによる影響を受けていれば適用になる可能性があります。

2 固定資産税・都市計画税の軽減・免除

中⼩事業者の税負担を軽減するため、中⼩事業者の保有するすべての設備や建物等2021年度の固定資産税及び都市計画税を、売上の減少幅に応じ、ゼロまたは1/2とする。

具体的には、2020年2〜10⽉の任意の3ヶ⽉の売上が前年同期⽐30%以上50%未満減少した場合は1/2に軽減し、50%以上減少した場合は全額を免除する。

納税猶予もあるそうですが、猶予は意味なしなので、

軽減と免除がされる条件を確認しましょう。

2020年2月から10月までの任意の3か月で、売上が前年比30%以上減少

あとは減少幅によって、半額か全額ということです。

2021年なので来年!?

これもビルオーナーさんか民泊事業者さんくらいしかはまらない感じがします。

3ヵ月としているのは家賃の減免や猶予期間に合わせている感じがしますね。

3 ⽋損⾦の繰戻還付の拡充

拡充とあるのは資本金が1億円から10億円まで拡大されたということです。

通常翌年以降の黒字と相殺できる欠損金ですが、

それを前年に遡ることができ、納付済の法人税を還付してもらえる制度です。

前年が黒字で、今年度赤字になった場合には、還付の可能性があります。

国税庁のHPのリンクを貼っておきます。

法人税(国税)のみ、というところにご留意ください。

不動産等を取得するなどしてたまたま赤字になった場合にも適用になる可能性があるので、その辺りは税理士さんにご確認ください。

4 テレワーク等のデジタル化投資の促進

これは以前からあった「中⼩企業経営強化税制」の拡充です。

メリットとしては、設備投資にかかる減価償却の一括償却や10%(7%の場合も)の税額控除が受けられる点です。

デメリットとしては、審査基準や申請方法が非常にメンドクサイことです。

私は以前自家発電用の太陽光発電設備で申請しようと思いましたが、

税理士さんと相談しつつも、メリットよりも労力の方が上回るということで断念しました。

今回の補正予算によって、対象設備に「遠隔操作、可視化、⾃動制御化」を実現する目的のものが加わりました。

賃貸業において考えられるもので、導入メリットのある設備を考えると、

IoT関連でしょうか。

建物付属設備に該当しそうなので、60万円以上が要件になります。

防犯カメラ、電子錠、等で遠隔操作可能な設備になるかと思いますが、

どうでしょうか。

例えばインターネット設備を導入する際に、

これらをセットで導入するときに申請することはできるかもしれませんね。

おわりに

本日から補正予算関連の制度が動き出します。

まだ今後も色々な動きが出てきそうですが、

不動産事業者さんに不利な経営環境になったり、制度ができたり、

そういったリスクは覚悟しておく必要があります。

私も初めは楽観的に考えていましたが、

不動産は遅れて影響が出てきますので、

むしろ今からが本番です。

ただ、持続化給付金や10万円の特別定額給付金の支給により、

全体としての滞納リスクは当面抑えられたのではないかと思います。

引き続きコロナウイルスの影響や制度の変更について注視していきましょう。

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